2021夏アニメの製作委員会を考察する。

 みなさんこんにちは。Kazです。

今回は、2021年夏アニメの製作委員会についてみていこうと思います。

早速ですが、dアニメストアの「2021夏アニメ配信ラインナップ」にある深夜アニメ(放送が夜9時以降)を対象に調査します。

また、ここでの製作委員会一覧はあくまで予想です。予めご了承ください。

修正などありましたら、コメントにて教えていただけると助かります。

1. TSUKIPRO THE ANIMATION 2

まだ未配信

2. RE-MAIN(リメイン)

考察:「スケートリーディングスターズ」に引き続き、バンダイナムコアーツの女性向けイケメンスポーツアニメです。オリジナル原作であり多方面でのメディアミックスを想定したIPです。バンダイナムコアーツが得意としているジャンルの一つです。

3. うらみちお兄さん

考察:一番の注目は、丸井が製作委員会に参画している点です。丸井といえば、お店のマルイでよくアニメとコラボしたフェアが開催されています。どうやら丸井の中でアニメ事業を成長戦略として位置づけ、近年事業展開を急激に伸ばしているそうです。丸井の製作委員会参加は昔にもあったのですが、まだまだ見かける回数は少ないですね。丸井のアニメビジネスについてもっと知りたい人はこちらの記事がおススメです。あと驚く点としては、ムービックが出資額順でおそらく3位だということです。ムービックと言えば、いつも製作委員会の並び順では一番最後に見かけることが多かったです。多くのアニメに出資している分、ひとつにかけられる金額が少ないのではないかと勝手に考えていました。

4. ラブライブ!スーパースター!!

まだ未配信

5. 白い砂のアクアトープ

まだ未配信

6. 女神寮の寮母くん。

まだ未配信

7. ヴァニタスの手記

考察:まさかのアニメーション制作会社のボンズが出資額で2位となっています。アニメーション制作会社は基本、出資額が最も小さくなることが多いので驚きです。作品を見た感じはアニプレックス感がすごかったのですが、製作委員会メンバーを見るとアニプレックスのほかにも博報堂スクエニといった大手も参画していることがわかります。

8.  転生したらスライムだった件 第2期

考察:マイクロマガジン社は原作ノベル出版社としての参画です。一方講談社は、コミックの出版社として委員会に参加しています。BANDAI SPIRITSはグッズ会社ですが、最近はエイティシックスといったアニメにも出資しています。転スラはグッズ展開が積極的に行われているIPですので、それによるリターンも大きいのでしょう。ADKマーケティング・ソリューションズは、よくアニメのEDクレジットにも登場します。詳しい業務内容はネット上には公開されていませんが、おそらくSNS運用等のマーケティングを担っているのではないかと個人的に考えています。これまでにもアニメに関わる何らかの業務に携わっていたのは明らかですが、今回のように製作委員会に参画するのはかなりレアです。もっというと、なぜソニーミュージック・ソリューションズも出資しているのかも謎です。昔からアニメの製作委員会に参画していましたが、ソニーミュージック内にはあのアニプレックスがあるので、事業が被ってないか?と思ってしまいます。

9. 天官賜福

考察:bilibili製作の中国アニメを輸入・吹替して放映しています。どちらもソニーミュージックの会社です。近年、この2社は中国人気アニメの日本への輸入に力を入れています。魔道祖師もそのひとつです。ライセンス料は当然かかりますが、流行らないアニメを一から出資して赤字を出すより賢い戦略といえるでしょう。

10. アイドリッシュセブン Third BEAT!

考察:バンダイナムコの巨大IPですね。かなりのヒットですので、あれだけの利益をこの三社で分配すると...なんて恐ろしいことを考えてしまいます。おそらく、製作資金のほとんどは上位二社(つまり、バンダイナムコグループ)の出資でしょう。

11. チート薬師のスローライフ異世界に作ろうドラッグストア~

考察:つっこみどころ満載です。おそらく製作委員会メンバーの数が今期最大です。そして、普段製作委員会では見かけないメンバーがかなりいます。まず、出資額1位の冬寂。どうやらCG・映像制作の会社だそうですが、私は初耳でした。この作品は、おそらく出資額2位のクランチロールビデオメーカーとなっているでしょう。クランチロールは海外(といいつつソニー)の配信会社ですので、アジア以外ではクランチロールが独占配信しています。メディアネットはテレビ東京の関連会社です。ビデオマーケットは動画配信会社ですね。これだけ製作委員会のメンバーが多いので、各社の出資額は比較的小さいのではないかと予想されます。

12. 月が導く異世界道中(予想・順不同)

考察:こちらもなかなかレアのメンバーがいます。サテライトはアニメ制作会社ですが、この作品のメインアニメ制作はC2Cです。今回は出資という形の参加でしょう。エブリスタは小説投稿サイトですが、今作に直接関係はない気がします。アルファポリスはコミックの出版社です。メディコス・エンタテインメントはグッズ会社です。AQUA ARISはかなり情報が少ないですが、アニメに関わる業務を広く行っているそうです。NetEase Gamesは中国のゲーム会社です。はたらく細胞BLACKにも出資していました。

13. カノジョも彼女(順不同・予想)

考察:こちらもメンバーの数が多いですね。フォアキャスト・コミュニケーションズ日本テレビのグループ会社です。

14. 小林さんちのメイドラゴンS

考察:1期ではランティスがいましたが、バンダイナムコアーツへ併合されたことによりクレジットが変更となりました。なんだかヴァイオレット・エヴァーガーデンを彷彿とさせる製作委員会メンバーですね。

15. ぼくたちのリメイク

考察:今期一番つっこみたいメンバーだらけです。まず、出資額1位がbilibiliであること。ついに中国勢が日本アニメにがっつり参画してきました。bilibili自体はテンセントと同じく中国国内で積極的にアニメ製作を行っています。そして、フロントウイングラボはエンタメメディアのプロデュース会社です。この会社が以下のブシロード等を抑えたと思うとちょっと驚きます。アニメの主演がブシロードの声優事務所「響」所属の伊藤昌弘であること、そしてED曲をArgonavisが歌っていることから、ブシロードの強い関与が推察できます。KADOKAWAの原作なのに、KADOKAWAが入っていないのが以外です。

16. SCARLET NEXUS

考察:おそらくアニメ化の持ちかけはサンライズ(企画)でしょう。そして、原作ゲームの販売元であるバンダイナムコエンターテインメントも製作委員会に参画した形でしょう。近年はゲームのアニメ化による相乗効果を狙った作品が多いですからね。

16. ピーチボーイリバーサイド

考察:こちらもなかなか興味深いメンバーですね。まず、 グリーエンターテインメントが筆頭になっている点。記事にある通り、この会社は今年7月に設立されたばかりの、アニメ等のIPプロデュースを行うGREEのグループ会社です。おそらく、このアニメを皮切りにどんどん製作に参加していくでしょう。ただ、まだノウハウは少ないせいか、VAPや講談社トイズファクトリー、創通に製作委員会業務を任せていると思います。A3はグッズ制作、エクサインターナショナルやジュドーは映像制作をメインにしている会社です。

17. ひぐらしのなく頃に

考察:宣伝などのやり方を見ていると、実質的なアニメメーカーの役割はKADOKAWAが担っているように感じます。エルフィンとディ・テクノはパチンコメーカーです。どうやらひぐらしのパチンコがあるそう。MAGESはひぐらしの音楽レーベルとして参画しています。

18. Sonny Boy

まだ未配信

19. 迷宮ブラックカンパニー

考察:KADOKAWA原作のため、やはりKADOKAWA関連の会社が多いですね。作品の雰囲気からも「戦闘員、派遣します!」のような匂いが感じられます。マッグガーデンはコミックを配信しています。

20. 100万の命の上に俺は立っている

考察:こちらも、出資順2位に制作スタジオがきています。アスミックエースのほかにもワーナーやバンナムアーツといった大手が入っています。

21. 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X

考察:アスミックエースでも力を入れているIPですね。二期からは、製作クレジットが「はめふらX製作委員会」と「MBS」の2つに分かれました。何か意味があるのでしょうか。

22. ゲッターロボ アーク

考察:ダイナミック企画の社長は、今作の原作者・永井豪先生の弟だそうです。なんと、バンダイナムコグループの会社が3社も入っていますね。

23. D_CIDE TRAUMEREI THE ANIMATION

考察:今期のブシロードメインIPの一つです。サムザップとBlasTrainはゲームの会社です。ストーリーやキャラクターからもメディアミックス(特にゲーム)を意識したIPということがわかります。ブシロードの得意分野ですね。最近、ブシロード電通をセットでよく見ますね。

24. 魔法科高校の優等生

考察:アニプレックスの大手IPです。KADOKAWAは原作を発売しています。「魔法科高校の劣等生(来訪者編)」と同じ製作委員会メンバーです。スクエニ魔法科高校のゲームを発売しています。ストレートエッジは原作者・佐島先生が所属するクリエイター事務所です。そしてお馴染みのムービック

25. かげきしょうじょ!!

考察:キングレコードが幹事でしょう。なんと、アニメイトが製作委員会に参画しています。めずらしいですね。すみません、あと一社(製作の森直樹さんが所属する会社)がわかりませんでした。

26. 精霊幻想記

考察:こちらもつっこみどころ満載。ホビージャパンはエンタメ系の出版をメインとしています。まさかのメロンブックスも製作委員会に参画していますね。イメージがありませんでした。CTWはWeb上のゲーム・マンガプラットフォームです。ストロベリー・ミーツ ピクチュアズはエンタメコンテンツのプロデュース会社です。叶音は音響制作の会社です。なかなかのレアメンツが集結しています。

27. 死神坊ちゃんと黒メイド(予想・順不同)

考察:小学館の原作ということもあり、小学館のグループ会社がとても多いです。

28. 探偵はもう、死んでいる。

考察:KADOKAWAの今期アニメで一番本気のIPかもしれません。セガが製作委員会に参画しているのはめずらしいですね。

29. 指先から本気の熱情2-恋人は消防士-
  • 彗星社

考察:まさかの一社単独です。一回のアニメが短いので、12話あったとしてもそれほど金額はかからないのかもしれません。

30. 出会って5秒でバトル

考察:原作が小学館からの出版なので、筆頭がショープロになっています。フィールズはもともとパチンコの会社でしたが、近年はIP活用に力を入れています。関西テレビが製作委員会に参画しているのはレアかもしれません。

今期のアニメ製作委員会からわかること

  • 中国勢の躍進
  • 「ぼくたちのリメイク」で筆頭のbilibiliに加え、NetEase Gamesなど中国のエンタメ企業が日本のアニメ産業に進出してきています。日本のアニメは全体的に、出資者が減少しています。そのため、中国の巨大資本のおかげで日本のアニメがつくられることが最近増えてきています。
  • ブシロードの本格的な製作委員会参画
  • ブシロードは以前、一社単独出資でアニメを製作していました。ですが、一社単独で制作費用を負担するのが苦しくなったせいか、先日の株主総会で製作委員会制度(複数社が出資)に移行することが発表されました。そのため、今期のアニメでは、いたるところにブシロードが出資しています。他の会社と同じように、他社が幹事のアニメに製作委員会メンバーの一員として参画していく方向性が今期の出資状況からわかります。
 

さいごに

これからも追記事項があれば順次追加していきます。よろしければ、こちらの記事もご覧ください。

 

kaz-foc.hatenablog.jp