アニメのビデオメーカー各社を比較する

アニメの製作委員会をご存じでしょうか。

アニメは1クール(12話)をつくるのに、3億円以上のお金がかかります。

一つの会社が3億円以上を出資して、アニメをつくるのは大変危険です。

もし作ったアニメが売れなかったら、投資した金額が回収できず巨額の赤字になるからです。

そのため、アニメを作るときには、いくつかの会社がお金を出し合います。

そして、アニメづくりに出資した会社が集まってできるのが、製作委員会です。

ややこしいですが、製作委員会がアニメの一切の権利を保有します。

製作委員会のなかでも、中心的な役割を果たすのがビデオメーカーです。

ビデオメーカーのほかにも、パッケージメーカーやアニメメーカー、幹事会社ともいわれます)

基本的にビデオメーカーは、製作資金を最も多く負担し、映像制作や宣伝を主導します。

作品によっては、製作資金の9割以上を幹事会社が出資します。

日本には、いくつかビデオメーカーがあります。

今回の記事では、ビデオメーカー各社の特徴を比較していきます。

先に断っておきたいのは、既にある原作の小説・漫画をアニメ化しているのはどこの企業でも同じです。

その他の特徴を詳しく書いています。

アニプレックス

アニプレックスソニーミュージックグループの一員です。 

鬼滅の刃」で名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

アニプレックスビデオメーカーのアニメは、製作委員会に参加する会社の数が比較的少ないです。

鬼滅の刃」もそうですが、アニプレックス、原作の出版社(集英社講談社)、アニメ制作会社の3社のみで構成されることが多いです。

たまに、テレビ会社やゲーム会社、グッズ会社などが入ることもあります。

ライバル企業のプロデューサーの方いわく、アニプレックスはお金を沢山持っているので、出資者が少なくて済むそうです。

そんなアニプレックスの強みは、アニメ制作会社と創り上げるオリジナル作品です。

最近だと、「SK∞(エスケーエイト)」もその一つです。

ほかにも、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「Angel Beats!」「体操ザムライ」など、アニプレックスは制作会社と協力して、原作のないオリジナル作品を製作することが多いです。

既にヒットしている原作を映像化するだけでなく、最初から話を作る工程に参加するというスタイルは他社ではあまりみられないスタイルです。

また、ノイタミナ枠のように、フジテレビと連携が強い印象です。

最近では、中国のアニメを日本に輸入して放送・配信しています。もちろん、アニプレックスが日本語に吹き替えています。

KADOKAWA

KADOKAWAは言わずと知れたエンターテイメント企業です。

メインの出版だけでなく映画やアニメ、ゲームなど幅広く事業を展開しています。

KADOKAWAの強みは、出版をアニメに活かせることです。

KADOKAWAでは、自社で大量にライトノベルやマンガを出版しています。

そのため、自社で出している小説やマンガをそのままアニメにすることができます。

実際に2021年春アニメですと、「戦闘員、派遣します!」「聖女の魔力は万能です」「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」など、KADOKAWAが出版している原作を、自社が製作委員会の幹事会社としてアニメ化しています。

KADOKAWAはその作品の多さゆえに、自社が出している原作を他社のビデオーメーカーがアニメ化することもあります。

例えば、「ソードアートオンライン」は電撃文庫というKADOKAWAのレーベルから出版され、アニプレックスが製作委員会の幹事としてアニメ化しています。

KADOKAWAは積極的にメディアミックスを行っており、アニメ事業を成長戦略の重要な柱として位置付けています。

バンダイナムコアーツ

バンダイナムコアーツは、バンダイナムコグループの一員です。

バンダイナムコグループとしては、他にもサンライズバンダイナムコピクチャーズなどのアニメ企業があります。

なかでも、バンダイナムコアーツはアニプレックスKADOKAWAと同じように、深夜アニメに焦点を当てています。

バンダイナムコアーツの強みの一つは、バンダイナムコグループ内の各社と連携した、シナジーの創出です。

例えば、人気IPのアイドリッシュセブンアイドルマスターは、もともとはゲームでした。

これらを映像化したことで、多くのファンを獲得しました。

グループ内のIPを有効活用できるというのが強みですね。

また、これらのアイドルやイケメンキャラクターを中心としたIPのアニメ化の経験を活かし、最近では独自のIPをプロデュースしています。

「スケートリーディング☆スターズ」はその一つであり、イケメンなキャラクターを作品の売りにしています。

グッズ展開も早期から力を入れており、「アニメだけで終わらせたくない」という会社の思いが垣間見えます。

他にも、バンダイナムコアーツの強みとして、⾳楽・ライブイベントとの連携が挙げられます。

前述したアイドルやイケメンキャラクターは、音楽イベントといったライブイベントとの親和性がとても高いです。

アイドルやイケメンキャラクターを演じているかわいいorイケメンな声優さんがイベントに登場して、作中に登場した曲を歌ったりファンサービスを送るなど、アニメの外でも作品ファンにアプローチしています。

リアルイベントを想定した上での作品づくりが最近増えてきていると感じます。

ちなみに、音楽レーベルのランティスバンダイナムコアーツの子会社であり、アニメの主題歌などを出しています。

 TOHO animation

 映画配給で有名な東宝が出しているレーベルです。

東宝の映像事業の中でも、アニメ製作は最も大きな収益源となっています

TOHO animation が製作する作品は、海外でもとても強い人気があります。

米アニメ配信サービスのCrunchyrollが発表したランキングによると、2020年に北アメリカで最も視聴された作品は、「呪術廻戦」と「僕のヒーローアカデミア」でした。

どちらも東宝が幹事会社です。

また、劇場版「僕のヒーローアカデミア」第2弾は、アメリカの日本アニメ映画歴代収入で8位にランクインし、「千と千尋の神隠し」を超えました

さらにこの映画は、アメリカの公開初日のランキングで堂々の1位を獲得し、公開週の週末で売り上げがその2倍になるなど、強い人気を誇っています

私は当時、アメリカにいました。

同時期に「鬼滅の刃」も人気でしたが、どちらかというと鬼滅はアジア系のコミュニティで広く見られている様子でした。

一方、「僕のヒーローアカデミア」はコミュニティに関係なく、全米で人気がありました。

アメリカ全体でみると、「鬼滅の刃」よりも「僕のヒーローアカデミア」のほうが知名度・人気がともに高かったです。

また、「僕のヒーローアカデミア」は夕方の時間帯に放送されています。

通常、製作委員会を組織するアニメは深夜に放送されるのがほとんどですので、夕方のアニメで製作委員会があるのはかなり稀です。

ブシロード

作品の傾向としてはバンダイナムコアーツと似ており、アニメにとどまらずライブイベントやCD制作を意識したIPプロデュースが中心です。

バンドリ!」や「アルゴナビス」など、イベントや舞台、ゲームを意識したIPが多いです。

むしろ、イベントやゲームなど長期的なIP成長を目的に、知名度を伸ばすためのアニメ化を行うことが多いです。

ブシロードのアニメの特徴は、ブシロードがアニメ製作に100%出資している点でした。

よくあるアニメのクレジットでは、製作欄に「○○製作委員会」とありますが、ブシロード作品の場合は、「製作:ブシロード」のように一社のみです。

つまり、ブシロードがアニメ製作資金の3億円以上を一社で負担しています。

前述のとおり、ブシロードはイベントやゲーム化を前提にアニメを製作していますので、利害関係を少なくするためにも一社単独で製作しているのでしょう。

そんなブシロードですが、2021年3月にアニメの100%単独出資から製作委員会方式に戻すことが発表されました

さすがに、一社単独でアニメを作り続けることが資金的に困難になったのでしょう。

また、ブシロードのアニメはスタジオサンジゲンの制作が多いです。ブシロードも出資しています。

博報堂DYミュージック&ピクチャーズ

ショウゲート博報堂DYメディアパートナーズのエンタテインメントビジネス局が統合してできた会社です(通称MAP)。

博報堂グループの中でも、エンタテインメントビジネス局はコンテンツのプロデュース等を行うため、他部署とは色が違っていました。

そのため、「エンタテインメントビジネス局は独立させた方が自由にやりやすいだろう」ということになり、別会社として設立されました。

実は遡ると歴史の長い会社です。

アニメ(TV/映画)のクレジットをみると、博報堂DYメディアパートナーズ(通称: 博報堂MP)とこちらのMAPが製作委員会に参画していることがあります。

前者は広告会社としての機能を強く持ち、後者はアニメメーカーとしての役割がメインであると考えられます。

コラム:なぜ広告代理店がアニメに出資するの?

アニメの製作委員会にはさまざまな会社が参加しています。

しかし、よくみるとアニメに関係ない会社も製作委員会に入っていることがよくあります。

例えば、「Re:ゼロから始める異世界生活」の製作委員会にはダイコク電機というパチンコメーカーが入っています。

そして、ダイコク電機はリゼロとコラボをしたパチンコ機器を制作しています。

これはどういうことでしょう?

おそらくですが、ダイコク電機は製作委員会に参加することで、自社のパチンコとリゼロをコラボさせる権利を独占的に得たと考えられます。

そして、リゼロパチンコを通じて得た利益はリゼロの製作委員会を通じて、自社により多くの利益が還元されるようになっています。

このように、アニメと関係がない会社も目的をもって製作委員会に参加しているのです。

では、広告会社の場合はどうでしょうか?

例えば、「約束のネバーランド」という作品の製作委員会には電通が入っています。

つまり、電通は「約束のネバーランド」とコラボしたキャンペーンや広告を、自社のクライアントに独占的に提案できるようになるのです。

そのため、ライバルの博報堂は「約束のネバーランド」を使ったキャンペーンや商品を企画することができません。

広告代理店は、アニメ作品の広告権を得るために製作委員会に参加しているのです

 

ここから先は、かなり説明が薄くなります。

(特徴といえる特徴を見つけられませんでした...)

 

DMM Pictures

DMMグループのレーベルです。

印象としては、特に講談社が出している作品のアニメ化が多いです。

2020年には、「彼女、お借りします」「炎炎ノ消防隊」「波よ聞いてくれ」「ランウェイで笑って」など、講談社の原作作品のアニメ化が目立ちました。

NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

NBCユニバーサル傘下の映像・音楽会社です。

2017年に同社とクランチロールは、新作アニメの共同製作と世界配給で提携することを発表しました

エイベックス・ピクチャーズ

avexのアニメレーベルです。

おそ松さん」や「フルーツバスケット」、「キングダム」といった、メガヒットIPのアニメリメイクが目立ちます。

キングレコード

もともとは講談社の音楽部門であったことから、主要株主も講談社となっています。

そのため、講談社原作作品のアニメが多いですが、他社原作作品もあります。

アスミックエース

ジュピターテレコム(J:​COM)の完全子会社です。

比較的最近から、アニメ製作に力を入れている印象です。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」や「弱キャラ友崎くん」など人気アニメの製作を行っています。

ポニーキャニオン

フジ・メディア・ホールディングスのグループ会社です。

「五等分の花嫁」や「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、「A3!」といった人気IPのアニメ化が多いです。

TBSとABCアニメーション京都アニメーションとつながりが深いように感じます。

ワーナーブラザーズ

アメリカのワーナーメディアの子会社です。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」や「食戟のソーマ」などのアニメを製作しています。

フリュー

もともとはプリクラ機械の会社でしたが、2013年に株式会社ウィーヴを吸収し、アニメ事業に参入しました。

ゆるキャン△」は同社の一番のヒット作といえるでしょう。

マーベラス

ゲーム事業がメインの会社です。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」や「東京喰種トーキョーグール」などの大ヒットIPのアニメ化を手掛けています。

その他

他にも、以下のような会社があります。

アース・スター エンターテイメント、YTE、松竹、vap、フライングドッグ、フロンティアワークス

どうやってビデオメーカーを見分けるの?

一番確実なのは、クレジットを見ることです。

OPかEDの最後には、ほぼ必ず「○○製作委員会」という表記があります。

その下に、製作委員会に参加している会社の名前が列挙されています。

もしくは、OPに「製作協力」として会社名が並んでいることもあります(主にポニーキャニオン幹事の作品)。

その中の、一番上にある会社がビデオメーカーです。

大体の場合は、これまでに紹介した会社の名前があるでしょう。

 

ですが、作品によっては、会社名が表示されないこともあります。

そんな時は、OPの冒頭で表示される「エグゼクティブプロデューサー」の欄を見てください。

一番上にある人の名前をネットで検索してみましょう。

おそらく、企業名とともに役職が出てくるはずです。

エグゼクティブプロデューサーは、会社のアニメ事業の責任者のような位置付けが多いですので、検索するとその人の役職が出てきます。

同一同名の人がいる時は「[人物名] アニメ」で調べてみてください。

ほぼ確実に、見つかります。

 

 

近年目覚ましい成長を続けるアニメ事業は、多くの会社で成長戦略の柱として位置付けられています。

今後の各社の展開が楽しみです。

In-n-outとマクドナルド

マクドナルドのバーガーはまずい」

そう気づいたのは、アメリカのハンバーガーチェーン In-n-out でシンプルなバーガーを食べた時である。

私はそれまで、マクドナルドのヘビービジターであった。

暇があればマクドに行き、時間を潰すことが多々あった。

マクドナルドはバーガーの他にもサイドメニューが豊富である。

バーガーに限って言っても、常時10種類以上のバーガーと期間限定のメニューが存在する。

そのバラエティ豊かな品揃えは、顧客を飽きさせない一つの要因であろう。

私はマクドナルドが大好きであった。In-n-outを食べるまでは。

In-n-outを知らない人は多いであろう。

簡単に言えば、アメリカの有名なハンバーガーチェーンである。

日本のハンバーガーチェーンといえばマクドナルドやモスバーガーロッテリアなど数は限られるが、本場アメリカではその数は比にならない。

数あるハンバーガーチェーンの中でも、In-n-outは人気が高い。

ビジネスインサイダーの調査では、オススメのハンバーガーチェーンランキングで2位の座を手にしていた。 

(ちなみに1位はChick-fil-Aである)

その人気の秘密を、私は安さと美味しさであると考える。

一見両立しなさそうな2つであるが、In-n-outはやってのけたのだ。

美味しさは主観である。だが、アメリカ人の間では「マクドナルドよりもIn-n-outの方が断然美味しいしオススメである」というのが一般的な見方であるそうだ。

私は決してグルメレポーターではないので、その美味しさを表現することができない。

しいていえば、バンズの内側のサクサク具合が最高である。

In-n-out は食材の新鮮さを意識しているそうで、ジャガイモは店内でむいてカットし、フライにしている。

(ちなみにマクドナルドは冷凍でカットされてるものが店舗に運ばれる)

まあとにかく、In-n-outのバーガーは美味しいのだ。(強引な主張であることは重々承知している)

私が注目したいのは、安さである。

ロサンゼルスの場合、マクドナルドのハンバーガーは2.49ドルであるが、In-n-outのハンバーガーは2.10ドルである。

一見大した差には見えないが、In-n-outのバーガーはあくまで「この美味しさでこの値段!?」というクオリティに対する安さの驚きである。

私個人にしてみれば、2.49ドルの大したことないバーガーを食べるよりも、2.10ドルの美味しいバーガーを食べる方がよっぽど幸せなのだ。

では、この安さはどのように生まれるのだろうか。

結論を言えば、メニューの少なさである。

In-n-outには、3種類のハンバーガーとポテトしかメニューにない。

(まあトマトが入っていたり、輪切り玉ねぎに変えることができたりカスタマイズはできるが)

ハンバーガーが3種類しかないなんて、マクド好きの私にとってはかなりの衝撃であった。

ちなみにメニューは、ハンバーガーとチーズバーガー、それとDouble-Doubleというビックマックのようなもの、これらの3種類である。

テリヤキバーガーやチキンフィレオは邪道なのだ。

これらのハンバーガー、違いはチーズが入っているかどうか、あとパティやバンズの枚数しか違わないので、仕入れの品目が限られている。

少ない種類の材料を、大量に仕入れればいいのだ(まあ新鮮さの問題もあるので実際はどうかわからないが、扱う材料の少なさはアドバンテージである)。

マクドナルドではそうはいかない。あれだけ豊富なメニューを提供するのだから、それ相応の多様な材料が必要となる。

次に、人件費(特に教育コスト)を見る。

種類が少なければ従業員が覚えるメニューも少ないので、早く人材が育つ。

マクドナルドでは多様なメニューに対応するため、研修期間が長いことがある。研修期間でもかなり使えるようにはなるが、一人立ちをして現場を任せられるようになるには少し時間がかかる。さらに、マクドナルドのバーガーは、商品によって微妙に材料や手順が違うことがあるので、戸惑う新人も多い(体験談)。

経営学の視点で見ると、In-n-outの方が従業員一人当たりの教育コストが安いことになるのだ。

(ちなみに両者の厨房の様子やオペレーションにはあまり違いは見られなかった。)

個人的には、様々なメニューを持つマクドナルドはまるでレストランのようであるが、In-n-outはどちらかと言えば定食屋に近い。

前者は商品のバラエティなどの変化を望むが、後者はあくまで安定を望む。

定食屋の安さの秘密が、限られた商品の種類と変化のないオペレーション、そしてそれを求める安定した顧客層であるとするならば、まさにIn-n-outはこれらの条件を満たしていると言えるだろう。

外食チェーンのローカライズ化

今回のテーマはクリスピークリームドーナツです。

2006年に日本上陸し、今までとは一線を画すドーナツとして注目されました。

全国に続々と出店しピーク時には64店舗まで増えました。

しかし近年では業績が振るわず、店舗数は3年間で一気に約40店舗にまで減少。

新宿にオープンした第1号店も閉店に追い込まれました。

そんな中、経営コンサルタントとして多くの飲食店を復活させてきた若月貴子さんが社長に抜擢。

彼女が挑戦しているのは日本流への改革。

アメリカのスタイルを模倣するのではなく、日本独自のやり方を当てはめていきました。

その一つとして、店内レイアウトが挙げられます。

アメリカの店内や改革前のレイアウトでは、席と席の間が狭く、とにかくお客さんを入れることに重点を置いていました。

しかし若月氏はこれに目をつけ、お客さんが落ち着けるよう、カフェのようなインテリアを新店舗に導入しました。

また、ショッピングモール内のある店舗では、子どもを連れた家族が楽しめるよう、ボルダリングウォールが設置されています。

このように、地域ごとの立地や客層に合わせた店舗づくりを行いました。

次に、メニューについてです。

クリスピークリームといえば、クリームがたっぷり乗ったドーナツを想像しませんか?

最初は物珍しさで買っていたお客さんも、その過度な甘さから、購入を控えるようになりました。

そこで、アメリカのドーナツをそのまま売るのではなく、日本人好みのドーナツ生産を始めました。

その一つが、11月に発売された「北海道 チーズケーキ」です。

チーズの酸味を活かすことで、甘さを抑えることに成功しました。

このように、お客さんのニーズに合わせた商品開発も進めているそうです。

 

これまで述べたようにクリスピークリームは、アメリカの店舗スタイルや商品構成を模倣するだけでなく、日本に合わせたお店づくりを意識し始めました。

それぞれの地域合わせて必要な部分を変えていく「ローカライズ」を進めているのです。

 

(参考: ガイヤの夜明け  2018年10月30日 「外食王4 どん底から起死回生!」)

インドで家電需要を取り込むには?

突然ですが、問題です。

インドで、スマートフォンのシェアNo.1と洗濯機のシェアNo.1はどこでしょうか?

 

正解は、スマートフォン→シャオミ

洗濯機→ハイアール でした。

そうです。どちらも中国企業なんです。

スマホについては、iPhoneのシェアは高くないの?と思うかもしれません。

実はインドでiPhoneはまだまだです。

なぜなら、iPhone Xは11万円ですよ?

それに比べて、シャオミの最新スマートフォンは1万円程度です。10分の1の価格なんです。

 

それはさておき、インドの家電で高いシェアを誇る中国企業ですが、

実はMade in Chinaではないのです。

ラベルを見るとMade in Indiaなのです。

一体なぜでしょうか?

 

実はインドでは、モディ首相が “ Make in India “という政策を進めているのです。

これは、外資企業を国内に積極的に誘致しようという政策です。

これにより中国企業を含む多くのメーカーが、インド市場向けの製品を、インドで生産しているのです。

 

実は、インドで家電の普及率はそれほど高くありません。

テレビは60%に対し、冷蔵庫は20%、洗濯機は10%程度です。

しかし近年、家電を買うことのできる中間層が増大し、家電の需要は高まってきています。

安い金額で変える中国製品が人気なのも納得がいきます。

日本製品はブランド品ですからね。

 

今、インドで勢いのある日本企業はPanasonicです。

過去には事業縮小した過去もありますが、現在では巨大なテクノパークを建設し、

現地の従業員を雇用し、製品を大量に生産しています。

 

パナソニックでは近年、日本では考えられにくい機能を持った洗濯機を発売しました。

「カレーの汚れを落とす」洗濯機です。

ご存知の通り、インドではカレーが大変好まれます。が、その汚れを落とすのは困難な技。

そこでパナソニックでは、現地でカレーの専門家と研究を重ね、2年以上の歳月をかけ、「Curry」モードを備えた洗濯機を開発しました。

売れ行きがよく、現地で様々な製品を開発しているそうです。

 

インドで好まれる、低価格帯の家電は、多くが中国もしくは韓国企業ですが、

そこに日本企業がどのように挑んでいくのかが今後気になりますね。

 

(参考: 未来世紀ジパング 2018年11月7日放送
「一帯一路VSインド太平洋」 日中印の"新たな三角関係" )